電子ブレーカーを取り付ける注意点

最終更新日 2023年1月25日

電子ブレーカーとは

プログラムがしっかりしていて実際に流れている電流の値と、かかっている時間がブレーカーの中にあるコンピューターで測定されてJIS規格の許容範囲ギリギリまで使えるように設計されたものがネオ・コーポレーションなどが提供している電子ブレーカーです。
通常のブレーカーは熱動式と言って、熱を利用した膨張率を使って電気を止めるからくりでできているいます。

例えば定格80アンペアのブレーカーが設置されていた場合、一瞬ならばそれ以上の電流が流れたところで遮断はしません。
電気が流れることで生じる熱を利用しているからです。
こうした熱動式のブレーカーは一定の動作が担保されていないのでJIS規格でもある程度ゆるい規定になっています。

このブレーカーを使った主開閉器契約をすることで、契約電力を削減することが可能です。
一方で負荷設備契約であると、設備されたモーターの容量の合計で契約電力が決定しているので、定格容量が大きなブレーカーを選ばなければいけなくなるからです。

例えばマンションなどの場合200Vほどの電気を使用する設備は、エレベーターや上下に動くオートメーション駐車場、それからお風呂の水などを汲み上げるポンプがあります。
こうした設備を持っているマンションが主開閉器契約ではなく「負荷設備契約」をしてしまうとモーター容量を全部合計した54kw程度の契約電力となり、かなり無駄の多い出費となってしまいます。

実際は常時稼働し続けているものといえば、ポンプぐらいでエレベーターや駐車場などはたまにしか稼働していないのに、そのぶんもお金を払わなければいけなくなってしまうのです。
しかし主開閉器契約を組み合わせることそううした稼働していない設備の容量は請求されないので安く済ませられるのです。

熱動式の通常ブレーカーとの違いは何か

2種類の金属を貼り合わせた合金、「バイメタル」を利用しているのが熱動式ブレーカーであり、一般的に広く利用されています。
バイメタルが湾曲することで電気が遮断される仕組みなので、流れている電流を実際に計っているいるわけではないのです。
間接的な方法で電気を止める仕組みなので誤差が出ます。

一方で電子ならば電流の値をデジタル数値で直接的に調べるので突然大きな電流が流れても、すぐに電流電力を遮断してしまわずに、ある程度の時間が流れるまでは流せることになるのです。
なので一般のブレーカーよりも電気が落ちることが少なくなります。

平成8年度に主開閉器契約が認められるようになり、実際の一番大きな電力を調べ許容量を一定に保たせた契約容量に切り替えることができるようになったので、一瞬の大きな電流が流れたぐらいでは落ちない電子ブレーカーという製品の登場とともに、無駄な電気料金の支出を抑えることができるようになったのです。

しかしもちろん電力の契約容量はここの建物の状況によって変わります。
機械がどれくらい稼働しているのかとか電気をどれくらい使用しているのかなどをしっかりと調査を行い、綿密なデータを取りそれによって安全な容量を決めるようにしましょう。

電子ブレーカーにデメリットってあるの?

電子ブレーカー自体はとても優秀な機器なのですが、残念ながら、デメリットがあります。
それは、それを売る営業担当社が商品に対する専門知識をぜんぜん持っていないせいで間違った契約を結んでしまうことがあるので、かなり注意が必要だということです。

電子ブレーカーの選定容量を間違えた場合すぐに電気が遮断してしまうような事態になります。
例えばそれが工場なのであればいちいち電気が止まってしまうと、生産性が大幅に落ち、売上や納期を守れないといった事態が起こってしまいます。

またマンションで設備がすぐに停まってしまうと、契約をやめて引っ越してしまうことにもなりかねません。
会社などでもパソコン作業をしている時にたびたび電気が落ちていたら、大切なパソコンデーターが消失して、またやりなおしになるなどといった、ひどく非効率的な環境を作ってしまいます。

営業マンのトークに注意しておくこと

ではそういった営業のスキルが高いか低いかをどのようにして見極めたら良いのでしょうか。

それはその営業マンがもっともらしいけれども誤った案内をしていた時に、かなり疑念を持って良いと言えるでしょう。
例えば「ブレーカーを電力会社が進めている」と言ったような発言をしている人などです。
電力会社はブレーカーを進めたりすることはまずないです。

それから「ブレーカーに省エネ効果がある」などという人。
これはあくまでブレーカー自体に省エネ効果があるのではなくて、契約を変えることで安くなるのですから間違えています。
ですので、省エネなどと言った言葉を言っている営業マンがいたら、まずスキルは低いと見て間違いないでしょう。

以上のようなことに気をつけながら電子ブレーカーの購入をぜひご検討ください。